アフリカ ギニア ボッソウ村での「緑の回廊プロジェクト」滞在記 準備編(2)

このプロジェクトが始まってから10年近くが経過した2005年6月末のこと、
京都府立大学の牛田一成先生が弊社を訪問されました。
弊社の技術顧問をしておられる田中先生は京都府立大学を退職された先生。
牛田先生は田中先生を訪ねてこられたそうですが、
上記の「緑の回廊プロジェクト」とは全く無関係のことで訪問されていたそうです。
しかし、弊社の壁に掛かっていたヒマラヤの植樹に弊社のヘキサチューブが使われた写真をみられたそうで、
そこに映っていた大きく成長したポプラと、
植樹のボランティア活動をされている団体の代表者である遠藤京子さん。
この遠藤さん、登山界の中ではかなりの有名な方らしく、
8000m級の山に女性としてはじめて登頂された方らしく、
学生時代に山岳部に所属し今でも山登りは好きだという牛田先生に強烈な印象を与えたようです。
なぜ、京都府立大学の牛田先生と「緑の回廊プロジェクト」がつながるのか・・・
話が突拍子もないことになっている、と感じられると思いますが、
霊長類研究所の松沢先生は牛田先生の山岳部の大先輩らしく、つながりが今でも強いそうです。
さて、ここから私がその緑の回廊プロジェクトの一端に携わることになるまではまだまだ遠いように思われますが、
実はこの「緑の回廊プロジェクト」、当時はなかなか思うように成果がでていなかったようです。
そこで京都府立大学の農学部(現在の生命環境学部)の教授をしておれる牛田先生にも相談があったそうです。
ちなみに霊長類研究所は理学部、人文科学から生まれた組織。
植物を育てることに関しては門外漢なのです。
しかし農学部といっても畜産関係の研究をされている牛田先生も門外漢で、関係のない話だったのが弊社を訪問され、
ヒマラヤでの植樹活動の写真をごらんになり急に緑の回廊プロジェクトに牛田先生が巻き込まれていくことになった・・・
というのが話の顛末のようです。
牛田先生の弊社訪問時、出張で不在の私は、牛田先生の訪問も私のアフリカ行きのきっかけがここから始まったということも、
当時はまったく知る由もなく・・・

さて、遠藤京子さんの写真の印象がかなり強烈だったのか、牛田先生はいち早く松沢先生にご報告されたのでしょう。
一週間ほどたった7月7日、再び弊社に来られ、
試験的に「緑の回廊プロジェクト」にヘキサチューブが導入されることになったと・・・
当日も出張で不在の私。知らない間にギニア共和国行きがほぼ決定していたのでした。

後日、そのことを聞かされた私。といっても「行くように」と言われたわけではなく
「行く必要があるかも知れないが、どうか」と聞かれた程度のことでした。
アフリカに対して漠然とした興味があり、
いつかはアフリカに(アフリカ一括りにできるようなものではないけれどやっぱり漠然と)行ってみたいような気持ちもあったので、
「行っても良いですよ」と答えた私。
準備などが結構必要で、慌てることになるのは後日のこと・・・

2000年春植栽直後の様子(パキスタン トンガル村にて 写真提供:ヒマラヤグリーンクラブ)

2004年大きくなったポプラ(パキスタン トンガル村にて 写真提供:ヒマラヤグリーンクラブ)

アフリカ ギニア ボッソウ村での「緑の回廊プロジェクト」滞在記 準備編(1)

もう早いもので2017年も後半に入りました。

私(ハイトカルチャ社技主任)が西アフリカ、ギニア湾に接する国、
ギニア共和国を最後に訪問してから早くも10年が経過しようとしています。
黄熱病の対策のための予防接種の有効期限も過ぎてしまいました。
黄熱病流行地域に渡航する際には予防接種を受けて発行されるイエローカード
をパスポートと共に携行する必要があるのですが、その有効期間が10年なんです。

■チンパンジーの群れが存続危機に

京都大学霊長類研究所の松沢哲朗先生
(2016年3月で退職、同年4月、京都大学高等研究院特別教授に就任されたそうです)は
ギニア共和国のボッソウ村で野生チンパンジーの研究を行っておられました
(現在も行っておられるかも知れませんが)。
その研究対象となっているチンパンジーの群れは
ボッソウ村にあるバンという山を中心に生息しています。
チンパンジーは主に樹上生活を行い、移動も森林の中で行うのが普通のようです。
サバンナや道路など開かれた場所を移動することはあまりないようで、
移動するとしても力の強い雄が単独で出かける程度のことのようです。
このバン山は周りをサバンナで囲まれたような状態になっており、
群れは比較的狭い範囲で活動しているような状況になっているとのことなのです。
チンパンジーの繁殖に欠かせないのは成人の雌のチンパンジーが他の群れに合流し、
当たらしい血を持ち込むことだそうです。
しかし、先に述べたようにここバン山はサバンナに囲まれたような状態で、
他の群れから新しい雌がやってくることはなく、
血が濃くなりこのままではこの群れは縮小、消滅する危険性があるというのです。

■ ニンバ山とバン山を森林で結ぶ「緑の回廊プロジェクト」

そこで、他の群れが生息するというニンバ山(世界自然遺産)とこのバン山を森林で結び、
チンパンジーの移動できる回廊にしようという「緑の回廊プロジェクト」を
1997年に松沢先生が立ち上げられたそうです。

サバンナに木々を植え付けて、
バン山からニンバ山までの4kmを幅300mにもなる回廊を造ろうという試みです。