アフリカ ギニア ボッソウ村での「緑の回廊プロジェクト」滞在記 準備編(3)

【プラントハンター 立花先生】

2005年7月30日、若い頃プラントハンターとして世界中を飛び回っておられた
立花先生とお話しさせて頂きました。

※立花吉茂:大正15(1926)年8月1日生まれ 旧制中学校卒業
京都大学農学部園芸学研究生から文部教官(助手)
大阪市立大学理学部付属植物園に勤務 助手から講師を経て助教授に。
大阪市「咲くやこの花館」顧問(植物プロデューサー)
昭和36年までにハワイ・アメリカ全土・メキシコ・コスタリカ・コロンビア
・韓国・中国・タイ・マレーシア・スリランカ・インド・セーシェル
・モーリシャス・レユニオン・マダガスカル・南アフリカなどで
植物調査、採集、栽培指導を行う)

ハイトカルチャ社は日本での緑化事業に関しては現場もたくさんみているし、
植物もみています。感覚として何となく分かる、というところがあります。
しかし、残念ながらギニア共和国となると想像すらできませんでした。
恥ずかしながら、植物のことどころかギニア共和国という国のこと自体が
よくわからないのでした。
アフリカの熱帯地域という感じの大きなくくりで中学・高校の時に
地理の授業などで習った程度のことしか分からない、
つまり一般人と情報量は大して変わらない、というところだったのです。
熱帯地方の植物については、よくご存じの立花先生に話を伺うことで
事前の心と知識の準備をしておこう、そういうことで話を伺ったのです。

京都大学霊長類研究所からギニアでの研究資料の一部を頂き、
その中にボッソウの付近に生えている植物のリストがありました。
チンパンジーが生活している場所の環境を知るための基礎資料として
調査されたようです。
それにしてもかなりの数の植物があり、
よくこれだけ調べたものだと思いました。
が、植物名についてはすべて学名で記載されており、
恥ずかしながらどんな植物なのかまったく理解できませんでした
(まあ、仮に植物名が和名であっても知らないものが
多かったとは思いますが・・・)。
いったいどんな姿をした植物なのか、
どんな性格の植物なのかなんてことも全くわかりませんでした。

立花先生はそのリストを眺めて、
「もともと自生していたものもあるけれど、
作物として持ち込まれたものも相当ある」と言っておられました。
カカオやミカンの仲間、パイナップル、コメ、カシューナッツ、落花生、
パパイアなどなど・・・
元々の植生もわからないうえ、作物まで混じっているとなるとその中から
本当にどんな植物を「緑の回廊プロジェクト」に使うべきか、
まして植物名がわからない。こんな状況で本当にギニア共和国へ行って
「緑の回廊プロジェクト」のお手伝いができるものだろうか。
そんな不安がどうしても消えない。
しかし、そんなとき立花先生は、

「まずは現地をよく観察すること。
どんなところにどんな植物が生えているのか、
それがわかるとおのずとどの植物を植栽すればいいのかわかってくる」

と仰いました。
そう、植物の名前など知らなくても、
観察することで植物の性格などは大まかにわかるはず。
基本中の基本を忘れておりました。

ただ、観察するにあたって、日本では木々の光に対する要求度は
「陽樹」「陰樹」の2種類に分けられるけれど、
ギニア共和国のような熱帯地域では「中間樹」のような性格のものがあり、
そこもよく注意して観ておくように、とのことでした。
陽樹とはよく開けた明るい環境を好む木々で、
こういった植物は林縁部(林と開かれた場所の境目あたり)に
よく見られます。
逆に陰樹とはある程度成立した木々の下のような日陰
(といっても暗すぎると枯れてしまう)を好む木々であり、
こういった木々は林の中に多くみられます。
中間種は小さい頃は木陰でも育ち、
大きくなるともともとあった木々の上に頭を出して
優先的に育っていけるような木々であるそうです。
ちょっと日本の自然植生(人工林ではない環境)では
あまり見かけない性格のもののようですが、
がんばって観察して木々の性格を何とか把握して、
その結果を「緑の回廊プロジェクト」に活かしていこう、
と思えるお言葉をいただけたのは大きな前進でした。

PHOTOS by Ryo

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