【ツリーシェルター通信 No.2 2024/07/08】『ツリーシェルターの歴史 2 』

■ツリーシェルター開発の動機 苗木の枯死、生育不良を無くす

チューレイが持っていた問題意識は、とても明確です。

「林地に植栽した苗木の枯死、生育不良をなくせないだろうか・・・」

■植栽した幼齢木の生存率を高めたい
■植栽後の幼齢木の成長を改善したい

スコットランドのとある畑、植え付けられた小さな野菜苗に、プラスチック製のコップが被せられているのを、チューレイは目撃します。伝統的に農業で行われている、日常的な手法であり、苗の活着・生育を助けるために行われているものです。ここから、チューレイはツリーシェルターを考案、試験にとりかかります。

1979年、最初は、既製のプラスチック製の網に半透明のポリエチレン布を巻きつけ、筒にして苗木に被せました。数にして180本。チューレイの期待とは異なり、彼が所属するアリスホルトロッジ森林研究所(林業試験場)の研究員たちの反応は冷ややかなものであったと言います。

「そもそも、筒内が暑くなり過ぎて、苗木は枯れてしまうに違いない」

と言うわけです。

結果は彼らの予想を覆す結果となりました。植栽した苗木の大半が枯死することなく活着し、設けられた対照区の苗木に比べ、大きな成長量が得られたのです。

(この時のチューレイの興奮がどんなものであったか理解できるような気がします。植栽翌年に確認しに行った苗木の成長量を見た時の感動・・・)

翌年には1800本に試験を拡大、同様の結果を得ることができ、

「苗木の枯死を防ぎ、成長量を高める」

と言うチューレイの思いは達成されました。

1984年には100万本のツリーシェルターが商業ベースで製造・販売されたと言うから驚きです。

イギリス チルターン営林署にて 1995年8月23日 赤井龍男 撮影

PDFでダウンロード 『ツリーシェルター開発の動機

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