活用事例:食害苗再生

食害苗再生

Point

食害を受けた苗木を保護

食害苗の早期再生


マツ枯れで疎林状態のアカマツ林に、1996年ヒノキを3,300本/haの密度で植裁。シカの食対策として造林地域をシカ柵で囲んだ現場。植栽後6年目の2002年10月時点、シカ柵の効果は見られず、すべてのヒノキはシカの食害を受けマイナス成長を示す不成績造林地となっていた。ヒノキは食害を受けて棒状(写真参照)になってはいるものの生きていることから、当社の提案に基づき、「ツリーシェルターによる食害を受けたヒノキの再生」を実施することとなった。実施にあたり、すべての食害ヒノキにツリーシェルターを設置するのではなく、2本に1本(約1,500本/ha)の割合で保護することとした。以下、事業の経緯である。

事業の概要

「マツクイ被害を受けたアカマツ林の林相改良」

  • 1996年 3月 ヒノキを3,300本/haの密度で植裁。植栽地をシカ柵で囲む
  • 2002年10月 シカの食害でマイナス成長。ヒノキ苗は全て棒状に
  • 2002年12月 2本に1本(約1,500本/ha)の割合でツリーシェルターを設置

シカの侵入を受け、写真のように全てのヒノキ苗は食害を受けて棒状になっているが生きており、幹剥ぎ被害も受けておらず、ツリーシェルター保護による再生が可能


シェルターの機能説明及び設置方法を解説

■食害ヒノキ再生:1~2年

「シェルターの保護下、枝葉を増やす」


シカの食害を受け続け棒状であったヒノキ苗。ツリーシェルター保護したからと言って、直ぐに伸長成長を始めるわけではありません。保護から1~2年の間は、食害ストレスから開放され、再生の第1段階として枝葉を増やし始めます(左写真)。かつて棒状であったとは思えません。伸長成長する準備が整ったと言えます。

再造林から6年以上経過した現場のため、下層植生密。残念ですがツリーシェルター設置後1~2年は下刈が必要。

■食害ヒノキ再生:7年

「食害を受けたヒノキが再生」1,500本/haで成林の見込み

林縁分など日当たりの悪い場所など、生育不適箇所を除き、ほとんどの植裁木は4mを超えて成長しており、成林の目処がたった

食害を受けたヒノキを再造林地を再生する