QA
ツリーシェルター Q&A
さまざまな疑問にお答えします。
- 夏の高温で中の苗木は枯れませんか。
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枯れません。夏のシェルター内の温度差は小さく問題ありません。
夏のシェルター内外の温度差は⼩さく問題ありません(温度試験資料参照)。気候が温暖な九州で使⽤実績が多
く、⾼温で枯れるような事例はありません。海岸砂地のような極暑の環境でも⾼温枯死はありません。
温暖な気候の九州地方でもすくすく成長しています。
- 夏の高温で中の苗木が枯れませんか?
-
枯れません!
夏のシェルター内外の温度差は⼩さく問題ありません(温度試験資料参照)。気候が温暖な九州で使⽤実績が多
く、⾼温で枯れるような事例はありません。海岸砂地のような極暑の環境でも⾼温枯死はありません。
酷暑の海岸砂地でも苗木を保護
- 蒸れ(多湿)て中の苗木が枯れませんか?
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枯れません!
シェルター内の湿度は外気に⽐べて⾼くなります(湿度試験資料参照)が、苗⽊の蒸散も含めた数値です。枯死、
⽣育を阻害するほどではありません。逆に、乾燥を防ぎ湿度を保持する効果があります。
下草に覆われてしまい、より蒸れる環境だけど・・・・問題なし
- 枯れました!!シェルターが原因ですか?
-
深植えが原因です
⼟壌条件にもよりますが、植え⽳を深く掘りすぎて植えると、枯死・枯損の原因となります。深く植えると、⼟
壌内の酸素が少ないため、根は呼吸できなくなり、枯死してしまいます。
深植えによる枯死→指差し箇所が植えた位置
シェルターのせいで枯れたのではと⾔う報告をうけ、現地で苗⽊の堀取り調査を実⾏したところ、相当の深植えであったこと
が判明し、⼟壌内の酸素が少なく、根が呼吸できなくなって枯死したことが判明した。
- 枯れました!!シェルターが原因ですか?
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苗木不良が原因です
植栽にあたり納品された苗⽊のチェックは当然の作業なのですが…。以下にご紹介する「トリアシ根」「根の無
いポット苗」などを使って植栽し、不成績になっている現場があるのは⾮常に残念です。
不良苗木の根の見本:トリアシ木の苗木
根の発達が妨げられ、酸⽋になる可能性が⾼くなってしまう。せめて根を広げて植えておけば...
根の無いポット根
根をばっさり伐ってポットに植え込み、そのまま出荷したもの。当然根は回復していない...
- 枯れました!!シェルターが原因ですか?
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光不足です!!
20年ほど前、保安林改良の名⽬で「30%伐採した箇所」に苗⽊を植栽する施業が流⾏しました。「複層林施
業」と⾔っていたと記憶します。当然、林内に⼊る光は少なく、更に数年で上部は閉鎖してしまい、植栽⽊は光
不⾜で枯死してしまいました。
林内に光が入りません。これでは苗木が育ちません。
- 枯れました!!シェルターが原因ですか?
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ヒノキ植栽不適地です!
「尾根マツ・⾕スギ・中ヒノキ」という⾔い伝えがあります。この⾔い伝えが⽰すとおり、ヒノキは「やや乾燥
した⼟壌が植栽適地」。⽔分条件の良い場所は⼟壌内の酸素が少なく、ヒノキには適しません。結果、根の呼吸
が困難となり枯死します。
⾕筋(赤枠内)に枯死が集中
土壌水分条件が良すぎる場所はヒノキの植栽不適地です。
- 枯れました!!シェルターが原因ですか?
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クロマツ植栽不適地です!
「尾根マツ・⾕スギ・中ヒノキ」という⾔い伝えがあります。この⾔い伝えが⽰すとおり、クロマツは「乾燥した⼟壌でも育ち、湿潤地は好みません」。⽔分条件の良い場所は⼟壌内の酸素が少なく、クロマツには適しません。結果、根の呼吸が困難となり枯死します。
◆クロマツの枯死は⽔が集まる⾕筋に集中
斜面上部になると、生存率は高くなり、尾根筋は100%に近く活着成長しています。
土壌が少ない乾燥地のため、杉の枯死が目立つ。
- 適地適木について教えてください?
-
植栽に関する基本知識
「尾根マツ・⾕スギ・中ヒノキ」という⾔い伝えが有名です。⽇本の代表的な林業樹種について、植栽に適した条件を教えてくれます。間伐重視の林野政策が続いたこともあり、植栽を経験したことが無い⼈が増えた現状、今⼀度初⼼に⽴ち返り、適地・適⽊の意味を理解しなければなりません。
樹種により、生育(樹栽)敵地は異なります。植栽予定地の条件に適した樹種を選び、正しく植栽しましょう。
◆「尾根マツ・⾕スギ・中ヒノキ」の意味
あ | ⼟壌⽔分条件 | 樹種特性 |
尾根マツ | 乾燥 | 乾燥⼟壌でも成育 湿潤地は好まない |
⾕スギ | 湿潤 | ⽔分条件の良い⼟壌を好む 乾燥⼟壌は好まない |
中ヒノキ | やや乾燥 | やや乾燥した⼟壌が適地 ⽔分条件の良い場所は好まない |
コメント | スギ・ヒノキ・マツだけでなく、樹⽊にはそれぞれ成育の特性があ る。その特性に基づいた植栽計画が重要である |
- 筒の径が小さい。成長しないのでは?
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心配ありません。
当社ツリーシェルターは現在、10cm 。12cm、15cmのものをラインアップしています。ヒノキ、ホオノキ、トチノキに関しては15cmのものをご提案していますが、その他樹種につきましては、どの径のシェルターをご使⽤いただいても問題なく成⻑します。
直径10cmのツリーシュルターを使用
- 筒の径が小さい。成長しないのでは?
-
心配ありません。
当社ツリーシェルターは現在、10cm 。12cm、15cmのものをラインアップしています。ヒノキ、ホオノキ、
トチノキに関しては15cmのものをご提案していますが、その他樹種につきましては、どの径のシェルターをご使
⽤いただいても問題なく成⻑します。
直径10cmのツリーシュルターを使用
・クヌギ 大分県中津市 ・コナラ 兵庫県篠山市
・ケヤキ 兵庫県宍粟市 ・イロハモミジ 静岡県富士宮市
- 設置後1〜2年の成長について
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伸長成長旺盛です
シェルター内で「⾵」・「シカ」「強光」から守られ、初期成⻑が促進される期間です。1〜2年で30cm⾼の苗⽊は140cm⻑を超えて成⻑します。
苗⽊保護期間 (ツリーシェルター設置後1〜2年)
植栽後2年めのスギ 植栽後2年めのヒノキ
梢端が出始めてからが重要
設置1〜2年間保護された苗⽊。 シェルター先端から苗⽊の梢端が出始めた頃でしょう。
この時期苗⽊はまだ枝葉が展開しておらず樹幹も細いため、シェルターを取り外すと細く
て倒れてしまいます。取り外しの時期ではありません。これから枝葉が展開し、⾵にさら
され、樹幹が太り、根張りも充実していきます。
- もやしのような木になりませんか?
-
5年で立派になります
苗⽊はシェルター内で枝を張ることなく成⻑しますので、植栽後1〜2年は『ひょろひょろ』です。この時期に取りたしたお客さんは『もやしになる』と苦⾔を呈されます。シェルターから頭を出した苗⽊はその後も成⻑を続け、枝を張り、⾵を受けて幹は充実し、植栽後5年も経つと⽴派な若⽊に成⻑します」。
植栽後1年経過 植栽後5年経過
5年で立派な若木に。兵庫県丹波市
- シェルター内で枝はどうなるのですか?
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枝は無くなります
苗⽊はシェルター内で枝を張ることなく、シェルターから頭を出したところから枝を張ります。内の枝は役⽬を
終えると枯れて無くなります。
- シェルター内で枝はどうなるのですか?
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シェルター内では真っ直ぐ伸び、枝分かれしない
「ツリーシェルターを出てから分枝する」広葉樹・針葉樹ともに、シェルター内では枝葉は発達せず、真っ直ぐ成⻑します。広葉樹では⽐較的低い位置で枝分かれする樹種が多く⾒られますが、ツリーシェルターを設置した広葉樹は、シェルター内では真っすぐ伸び、枝分かれすることはありません。
「ツリーシェルター内の枝は成⻑の段階で無くなる」広葉樹・針葉樹共通ですが、ツリーシェルター内の枝は、苗⽊の成⻑の段階で枯れてなくな
ります。このため、林業の施業である「紐枝打ち」を省くことが出来ます。
シェルターを出てから枝分かれする ( 赤丸部分)
- いつ取り外せますか?
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成木成長期間です
枝張り・樹冠・根張ともに充実し、樹⾼も増し⽴派に⾃⽴した若⽊に成⻑した「成⽊成⻑期間」になれば取り外し可能です。
- 多雪地で注意すべき点は?
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積雪深の把握が鍵
施⼯地の積雪深がシェルター⾼を⼤きく超えなければ、傾斜に関わらず導⼊いただけます。超える場合シェルター本体の変形リスクが発⽣します。現地の気象条件、地形、⼟壌条件等を把握することは⾮常に重要です。
【多雪地でツリーシェルターを活⽤する】
ツリーシェルターの活⽤を検討するにあたり、耐雪性についての質問が多くあります。成否の鍵を握ることもあり、お客様には必要に応じ植栽地の積雪深を尋ねるようにしています。多雪地でのツリーシェルター活⽤できるかどうかの判断基準は、『積雪深がシェルター⾼を⼤きく超えない箇所であること』『⼩規模な雪崩が発⽣しない箇所であること』です。雪が滑る
不成績造林地、積雪深がシェルター⾼を⼤きく超える箇所では、倒伏・折損、シェルターの変形にが発⽣してしまいます。
写真では140cm⻑のツリーシェルターが雪から頭を出している様⼦が⾒られます